毛包炎

ダメとわかっていてもやってしまう毛抜きですがニキビができやすくなる、毛穴が広がりやすくなる以外にどんなリスクがあるのでしょうか。

まるでニキビのようだけど実は違う毛包炎、経験したことがあるであろう埋もれ毛、なってしまうと厄介な色素沈着がありいずれも毛抜きによって発生する可能性があります。

毛抜きをするからにはこれらの危険性があるとわかりながらすべし、そしてできれるだけそれにならないようにケアはしたいものです。

 

毛抜きはするけど肌は綺麗なままにしたい、そんなわがままのために毛包炎、埋もれ毛、色素沈着の紹介と対策をみていきます。

 

 

あなたは毛抜きをしたことがありますか

その前に当サイトでは毛抜きの経験の有無に関してアンケートをとってみました。私の予想としては毛抜きをしたことがない人なんかいないんじゃないかと思っていました。

今回のアンケート実施方法は以下の通りです。

  • 男女対象
  • 調査人数100名
  • 年齢、職業は問わず
  • WEBで実施(全国対象)
  • 調査期間2015年3月17日

アンケート形式、質問内容は以下の通りです。

  • 選択形式2問
  • 選択形式の問1:『顔の産毛・毛を抜いたことがありますか。』
  • 回答は次の中から1つ選択:『ある』 『ない』
  • 選択形式の問2:『設問1で「ある」と答えた方に質問です。抜いたことによって肌のトラブルが起こった経験はありますか。』
  • 回答は次の中から1つ選択:『ある』 『ない』

問1で「ない」と回答した方は問2の回答はありません。 アンケートを実施したところ以下の結果になりました。

b75

顔の毛を抜くということなので無意識に抜くのは珍しいと思います。したがって一度でも意識的に毛抜きをしたことがあると言う方はかなり多いのですね。

しかし私の予想に反して「ない」と答えた方が1割もおられたことに驚きでした。

非常に多くの手で顔に触れること自体美容を意識すればNGな行為なので、毛抜きをしたことがない方はかなりその意識が高くお肌を清潔にされていることでしょう。もちろん毛抜きはしない方が良いです。

 

では次に顔の毛を抜いたことが「ある」と答えられた方に毛抜きによって肌のトラブルを経験したことがあるかどうかを質問してみました。

回答数は先ほど「ある」と答えた人数である90です。結果は以下のようになりました。

b76

トラブルの経験がないと答えた方の数は思ったより多かったです。私はどちらかというとお肌が荒れやすいタイプなので髭剃りや毛抜きでできものが出来やすいです。

今回のアンケートでは性別や年齢、普段のお肌の具合を聞いていませんのでこの結果がすべての人に当てはまるわけではありません。逆に詳細に分析しすぎて参考の対象になる人がいなくなると意味がありませんので大まかに結果を出しています。

この2つ目の結果に関しては若干「ない」が多いものの、経験が「ある」方と大差があるわけではありません。今はその経験がなくても年齢を重ねればお肌のトラブルに見舞われるかもしれません。

顔にトラブルが起きてしまうと隠しようがありませんので(特に男性)、そうならないようにトラブルの知識と予防策はしっかりと把握しておきましょう。

 

毛抜きによって起こりやすいトラブル

毛を抜くことで問題になりやすい症状を挙げてみます。

  1. 毛包炎
  2. 埋もれ毛
  3. 色素沈着

この他にもニキビ、炎症も考えられますがこれらについては「毛抜きで痛くないおすすめの方法。ニキビや炎症にならないために」でメカニズム、対処法を記載しました。

したがってここでは上記の3つの症状についてなぜ起こるのかとその対処を見ていきます。

1.毛包炎

毛包普段毛は毛穴内部で毛包(左の写真の灰色部分)というもので包まれています。

毛包は皮膚と毛の間にあり毛をしっかりと固定する役目を担っています。しかし毛抜きやカミソリを行うことでこの毛包部分が傷ついてしまうことがあります。

カミソリ 毛包

もう少し詳しく言うと毛包が傷ついただけでは炎症は起こらず、そこに菌が付着することで毛包炎になります。

毛包炎を引き起こす菌はブトウ球菌、特に黄色ブドウ球菌がその原因になりますが、この菌は常在菌として普段我々の肌に住んでいるものです。健康な状態の肌であれば黄色ブドウ球菌の数はそれほど多くならず攻撃を仕掛けることができません。

しかし毛抜きやカミソリ負けなどのトラブルが起こった個所を見つけると黄色ブドウ球菌はここぞとばかりに攻撃を開始します。それでも健康なお肌であれば他の常在菌がそれを防いでくれるので、毛抜きやカミソリ負けをすると必ず攻撃に負けて毛包炎になるわけではありません。

ではどのような時に黄色ブドウ球菌の攻撃に負け毛包炎になりやすいのでしょうか。

3つの原因

黄色ブドウ球菌の数が増えて毛穴や傷口に付着し、活発になってしまうのはそれに対抗する常在菌の数が減ってしまい肌の免疫力が落ちてしまうからです。

先ほど紹介した「ニキビや炎症にならないために」の記事内でニキビの原因はアクネ菌だと書いていますが、本来アクネ菌も常在菌であり黄色ブドウ球菌の数を抑制してくれている善玉菌なのです。

しかし何らかの原因でアクネ菌などが黄色ブドウ球菌を抑えられなくなり結果として毛包炎につながってしまいます。

その原因とは

  • 手による黄色ブドウ球菌の付着
  • その他外部からの付着
  • 生活習慣のよる他の常在菌の減少

が挙げられます。

 手による黄色ブドウ球菌の付着

いつかの記事にも人の手には150種類以上の菌がいますと書いたように手には非常に多くの菌が手に付着しています。この中には黄色ブドウ球菌も含まれています。

料理をする際は必ず手を洗いましょうなんてよく言いますがこれは黄色ブドウ球菌を口にしてしまうことで食中毒を起こす可能性があるからです。

そして不潔な手で顔を触ると菌が付着します。例えばパソコンのキーボードやマウス、スマホを触ったその手で顔に触れると黄色ブドウ球菌がついてしまう可能性がります。あまり気持ちのいいものではないですので写真を見たい方はクリックして見て下さい。

写真はこちら

They found that most of the bacteria was harmless, however they did discover some traces of staphylococcus aureus, which can cause skin infections.
これら雑菌のほとんどは無害なものだったが、中には感染症の原因になる黄色ブドウ球菌も存在した。
→ Shocking images of BACTERIA that thrive in crevices of your MOBILE PHONE

これはイギリスのサリー大学・サイモン・パーク博士のクラスの学生グループが実施したもので、スマートフォンに付着している菌を可視化したものです。

写真右はスマホを培養用シャーレ(透明のお皿みたいなもの)に3日間付けて放置したものです。何が何なのかわかりませんが、大量に菌が付いていることは間違いなさそうです。

最近は電車、バス、歩きながらでもスマホを触る方が多いですがその手で顔を触割らない方が良いですね。

普段から髭剃りの後やできものを無意識に触ってしまう癖のある方は注意しましょう。いくら規則正しい生活をしていても外部からブドウ球菌を増やしていてはトラブルになってしいます。

その他外部からの付着

もちろん手以外からも黄色ブドウ球菌は付着してしまいます。黄色ブドウ球菌は湿った場所を好み(ヒトの体の部位でも)、プールや温泉と言った公共、公衆施設で付着することがあります。

とはいえ通常それらの施設では人体に害がない程度に塩素による殺菌が行われています。しかしそれが不十分であると黄色ブドウ球菌が生き残っている可能性がありこれが身体に付着します。

したがって身体に傷口や炎症がある場合はなるべく避けるか、もしも使用するなら利用後はしっかりとシャワーなどで身体、傷部分を洗い流した方がいいです。

生活習慣のよる他の常在菌の減少

夜更かしまた原因の一つとして生活習慣が挙げられます。体の免疫力を高める、常在菌のバランスを整える、それらがちゃんと機能するためには何を置いても正しい生活習慣が重要です。

少し話が逸れますが、ホルモン分泌の記事やニキビの記事にも書いているように生活習慣はできません。発症しないためには正しい生活習慣を送る必要がありますし、トラブルが起こった後にちゃんと改善するかも生活習慣が関わってきます。

なので食生活、適度な運動、十分な睡眠を基本として、その上でそれぞれの症状改善や予防の策をとるようにしましょう。

 

毛包炎とニキビの違い

ここまで見た通り毛包炎は主に黄色ブドウ球菌によって引き起こされる炎症で、アクネ菌が原因で起こるニキビとは異なります。しかしどちらも見た目は非常によく似ているので毛包炎なのかニキビなのか違いを判断するのが難しいです。

毛抜きの翌日、2日後に以下の写真のようなできものができた時は毛包炎の可能性ありです。

b82
出典:【画像】ニキビと毛包炎(毛嚢炎・毛膿炎)の違いとは?
出典:ニキビ跡治療法・毛穴スキンケア
 

強いて言うなら毛包炎は濃(白い)の部分が小さく炎症(赤い)部分が大きくてそれが広範囲に出来ており、一方白ニキビは単体で現れ脂(白い)部分が大きくて炎症部分がないor小さいと言ったところです。

とはいえ毛包炎もニキビ同様放っておけば数日で治るものです。それほどひどくないならばマキロンなどで消毒しておく程度でOKです。

かなかな治らなかったり炎症がひどい場合は皮膚科に言って見てもらいましょう。ユナシン、ケフラールなどの飲み薬を出してもらえるでしょう。

 

アトピー性皮膚炎の塗布薬を使用している方は注意

アトピーは身体の免疫が過剰に反応することで起こり、これの症状を抑えるためにステロイド外用薬を使用します。ステロイド外用薬は過剰に免疫が働くことを抑える薬で、塗布して肌の免疫力そのものを抑えていることになります。

肌の免疫が抑えられると悪玉である黄色ブドウ球菌を抑制するためのアクネ菌などの善玉菌の機能をも低下させてしまい、ブドウ球菌を増やす原因になってしまいます。

したがって不用意にステロイド外用薬を使用したりせず、あるいは普段からアトピー対策でそれを使っている方は必ず医師に相談の上対処しましょう。

 

毛包炎対策

b83

一番の対策法は毛抜きをしないことですが、することを前提にいうと以下が挙げられます。

  • 抜いた後はすぐに洗顔、ケアをする
  • 毛抜き以降抜いた箇所を触らない
  • 毛抜きの日前後は規則正しく生活する
  • ステロイド系外用薬は塗布しない

あとは「毛抜きは青ヒゲの原因になるのか」の記事で書いたような手順に従って行うといいでしょう。生活習慣についてはこの時だけではなく普段からしっかりとすべきです。

毛抜きをしたら必ずできるものではありませんのでアフターケアに力を入れて予防したいですね。

 

2.埋もれ毛

埋もれ毛

埋もれ毛は埋没毛とも言われており読んで字のごとく毛が毛穴から出てこずに皮膚内に埋もれてしまうことを言います。おそらく毛を抜くことで発症する可能性が一番高いのがこの埋もれ毛ではないでしょうか。

発症というほど有害なものではありませんが美容面でいうと非常に厄介者です。埋もれ毛のおかげで肌が少し黒くなったり、鳥肌のように見えてしまったりします。大きいものになるとホクロに見えてしまうこともあります。

さらに厄介なのは埋もれ毛+ニキビ、埋もれ毛+毛包炎になることです。

埋もれ毛を取ろうとするとニキビ・毛包炎を処理しなければならないですが、これを処理しても毛穴深層に埋もれてしまっている状態では容易に取り出せません。

全く解消できないかと言うとそうではないですが、綺麗に処理するには脱毛サロンやエステに行く必要があります。なので肌を露出する個所に出来てしまうと本当に厄介です。

埋もれ毛の原因

埋もれ毛はカミソリ、毛抜きでダメージを受けた毛穴口が炎症を起こし、より強い肌を作ろうとすることで毛穴が塞がってしまい発生します。ヒトの生理的な現象(肌はより強い皮膚を作ろうとし、毛は再度伸びようとする)がお互いにぶつかり合ってしまうのです。

埋もれ毛 原因

ヒトの身体は基本的にどの部分もそうで一度ダメージを受けるとより強く再生しようとします。筋トレをして筋肉が切れて、再生する破損と修復によってさらに太い筋になる超回復と同じようなことです。

お肌でもこの現象が起こっているのです。

したがってカミソリで処理したり毛抜きをすると避けては通れない現象です。

埋もれ毛の例

埋もれ毛の例です。こちらもあまり気持ちのいいものではないので見たい方だけ再生どうぞ。

 

一度毛穴から出て先端が皮膚に刺さってしまい半円になる形のものは別の名称があったと思います。また思い出したら更新します。

この動画のように、毛穴から出てきていなくても皮膚内で毛は育ち取り出してみると数センチの長さになっていることがあります。それだけ皮膚内で大きく育っているということなのでこの後紹介する「色素沈着」のようになってしまいます。

他には埋もれ毛になっている最中に毛が退行期を迎えてホクロのような黒い毛の塊がぽろっと出て来たりと様々です。

対策

一番の対策はカミソリも毛抜きもしないことです。先ほど見たように埋もれ毛の原因は毛穴へのダメージとその修復なので、そもそもダメージを与えないことが一番の対策です。

とは言えそれをしないことの方が見た目的にマイナスになり得ます。そのためできるだけ埋もれ毛にならないような処理方法を行いましょう。

 

シェービングの場合

  • 入浴時などに行い毛を柔らかくしておく
  • 剃る時は必ずシェービングフォームを使う
  • 深剃りしないように気を付ける
  • 特に冬は注意する
  • 埋もれ毛を作りたくない部分にフィットした物を着ない

毛抜きの場合

  • 毛を柔らかくしておく
  • 丁寧に抜く
  • 毛抜きに肌を挟まないように気を付ける
  • 特に冬は注意する

抜き方については「毛抜きは青ヒゲの原因になるのか」で書いてある通り

 

そしてどちらの場合はアフターケアとしてエタノール入りの化粧水で殺菌しつつ保湿するのが良いです。処理でダメージを受けた場所に菌が集まりだすと埋もれ毛+ニキビや毛包炎のダブルパンチになる可能性もあります。

毛抜きのあとはニキビを作らないためにも油分を含んだ乳液などは避け、2日後以降にそれを使うようにしましょう。

毛の処理の際には毛を柔らかくするのはもはや常識です。毛を柔らかくすると同時に毛穴も少し広がるのでダメージをなるべく少なくするには必須です。処理時の痛みも抑えられます。

埋もれ毛 服シェービングの場合で書いている「フィットした物を着ない」について、肌との密接度が高いキチキチの服を着るとそれだけ毛の個所が押圧されているので毛の出現を抑えていることになります。

季節が変わっても露出しない場所なら問題ありませんが女性は色々と服装が変わり処理痕も気になると思うので注意すべきポイントではなるべく避けましょう。

とはいってもタイツのように伸縮性があるものならフィットしていても負担にならないので大丈夫です。あまりにも無理して着るようなタイプのものはやめた方がいいです。

 

シェービングでも毛抜きでも注意したいのが冬の季節に行う処理です。

体毛が一番濃くなりやすいのは一年の中で秋後半から冬にかけてです。ヒトももともとは動物ですからそのなごりで寒さから身を守るために濃くなりやすいと言われています。

さらに冬は肌が乾燥する季節で普段は問題なく出来ている保湿や、体が冷えることで血行が悪くなり肌の回復が効率よくできなくなります。

毛が濃くなりやすく肌が機能低下しやすいと、いつもはあまり気にしない埋もれ毛も目立ってしまいます。冬だけ脱毛、処理をしないのも構いませんが、この季節はより気を付けて処理を行いたいものです。

処理するには

毛 処理

まず埋もれ毛を発見してもすぐに取り出さず、しばらく様子を見ましょう。

ヒトの皮膚はターンオーバーと言って古くなったものを外に押しのけて内側にできた新鮮な皮膚を常に作り出しています(個人差はありますが約1ヶ月周期)。したがって塞がってしまった毛穴のふたの部分もいずれは古い皮膚になり押し出され、最終的にはポロッと落ちます。そうすれば従来の毛穴の形を取り戻しまたそこから正常に毛が出てきます。

あるいは押し出される古い皮膚と一緒に埋もれ毛も落ちます。そのようにして自然に埋もれ毛が解消されることを待つのが肌にとって一番優しい処理方法です。

 

ピーリングとは言えなるべく早くそれをなくすために自分でも処理を行いたいです。おススメできる方法は「ピーリング」です。

ピーリングとは簡単に言うと肌に貯まった古い角質を落とす作業です。古い角質も外敵から肌を守る役割がありますが、これが多すぎると逆お肌の調子を悪くしたりターンオーバーの効率を下げてしまいます。

そこで化粧品を使うことで古い角質を落とします。要は汚れ落としという感じです。

ピーリング用の洗顔石鹸・ジェルとしてはアルファヒドロキシ酸(フルーツ酸)が配合されたものが一般的です。その名の通り天然由来の酸を使用するので古い角質に働きかけ、内側のお肌には刺激が少ないです。

 

注意したいのは、いくら早く埋もれ毛をなくしたいからといって毎日ピーリング用石鹸・ジェルを使用しないことです。肌のターンオーバーには正常な周期があり、過剰なピーリング剤の使用はそれを乱してしまいます。

したがって基本的には週1回程度、多くても5日に1回のペースを守りましょう。天然由来の酸と言えど酸であることには変わりなく一定の刺激があります。

これによって肌全体が荒れてしまっては本末転倒ですので焦らずにじっくりと処理することを心がけましょう。

それでもダメなら脱毛エステサロンへ

ただし方法でピーリングを行っていても埋もれ毛が処理できなければ最終手段として脱毛エステ・サロンにお任せしましょう。

自分で埋もれ毛を抜くときは必ず肌が傷つきます。これを避けるためにもプロにまかせて肌を綺麗な状態に保ちつつ毛をなくします。

費用が気になるところですが一番確実な方法です。

 

3.色素沈着

色素沈着

色素沈着と言えば女性のお肌の悩み代表的な症状です。よく耳にする「シミ」こそ色素沈着であり皮膚内部から発生するため簡単に治すことが出来ず治療に悪戦苦闘します。

ただ、色素沈着と言っても実はその症状や原因は様々で一言で言えません。

したがってここで紹介する色素沈着は毛抜き、脱毛とカミソリによるものに限って紹介していきたいと思います。

メラニンの働き

色素沈着の原因のほとんどはメラニンによるものです。一度はメラニンという言葉は聞いたことがあると思います。シミの原因であることから邪魔者扱いされがちなメラニンですがこれはヒトにとってなくてはならない重要な要素です。

紫外線 メラニン肌は紫外線にさらされると細胞自体が破壊されていき炎症や水ぶくれを起こし、ひどい時には皮膚がんを発症することもあります。

しかしほとんどの場合そうはなりません。なぜなら皮膚に存在しているメラニンが紫外線を吸収して細胞が破壊されるのを防ぎ、ターンオーバーによって吸収した紫外線と一緒に皮膚から離れていくからです。

つまりメラニンのおかげで太陽の光(紫外線)を浴びても病気にならずにいられるわけです。

しかし紫外線を多く浴びすぎてメラニンが一生懸命働かなければならない状態になると、表皮深部にあるメラノサイトというメラニンを生成する工場でそれが大量につくられてしまうため肌の一部が黒ずんだりするのです。

しっかりとメラニンが働いているからこそ色素沈着が起こってしまうわけですができればシミは作りたくありません。

 

そしてメラニンが働くのは紫外線を受けたときだけではなく傷や炎症など刺激を受けたときにも作られます。そうです、それこそ毛抜きによるダメージを受けた時、カミソリで肌が傷ついた時も生成されます。

メラニン 炎症

どちらもメラニンの働きによって色素沈着になることは変わりありませんがその過程は違います。カミソリによるものと毛抜きによるものは以下のように分類できます。

  1. カミソリの色素沈着:摩擦黒皮症
  2. 毛抜きの色素沈着:炎症性色素沈着

黒ずみの原因が違えばその治り方も違いますので両者がどういうものなのか見ていきます。

 

1.カミソリの色素沈着:摩擦黒皮症

真皮 メラニン摩擦黒皮症(まさつこくひしょう)は摩擦によってメラニンが生成されることで身体のどの部分でも起こり得るものです。

例えば部位でいうと肘や膝は衣服とよく擦れる個所であり毎日必ず摩擦による刺激を受けています。それだけでなく肘をついたり、立膝になることも摩擦でありその刺激に耐えようとメラニンが生成されます。

メラニン色素による通常の色素沈着と異なるのはこのように常日頃の慢性的な摩擦によって生じること、もう一つ、それによって皮膚の「真皮」と言う部分までメラニンが達してしまうことです。

真皮 メラニン

皮膚は細かく見ると表皮、真皮に分かれています(本当はもっと複雑ですがわかりやすくするためこれだけにします)。

通常メラニンが生成されるのは表皮内部のみで真皮に届くことはありません。しかし何年もの間日常的に摩擦を受けることでその個所にできたメラニンが真皮部分にまで達してしまいます。

皮膚の奥までメラニン色素が沈んでしまうと言うことはそれだけ解消するのが難しくなると言うことです。

大人になり働き始めるとほとんどの人は身だしなみを整えるためにヒゲを剃るでしょう。

カミソリでシェービングする人はおそらく毎日それを行い、それが何年何十年と続くと思います。長い間日常的にカミソリで摩擦されることによりメラニンが真皮部分まで届き、口周りの色素沈着が出来てしまうのですね。

 

摩擦黒皮症と立派な名前がついいるものの要は色素沈着なので何かひどい病気につながることはありません。沈着が気になるならば改善のためケアが必要ですが、気にならない(あるいは諦めている)のであれば特に問題はありません。

予防方法

カミソリによる摩擦黒皮症の予防については処理の回数をなるべく少なくすることが一番です。刃が肌に触れて負担になる限りメラニンが生成されるのを止めることはできません。

それでも色素沈着したくないならば、カミソリではなく電気シェーバーを使うと肌への普段がかなり減りますので予防法として効果的です。

ただしだからといって肌に電気シェーバーを押し付けすぎないように気を付けましょう。圧力を加えすぎるとそれも肌へのダメージになります。

 

2.毛抜きの色素沈着:炎症性色素沈着

メラニン色素 傷摩擦黒皮症とは反対に急な傷や炎症に対してメラニンが働きかけて色素の沈着が起こることを炎症性色素沈着と言います。

日焼けで出来るシミはこちらに該当し、その他ニキビや毛包炎、化粧品によるかぶれ、アトピー性皮膚炎による色素沈着もこれに含まれます。

先ほど紹介した摩擦黒皮症はメラニンが皮膚深部の真皮まで達してしまうものでしたが、こちらの場合は真皮までは届かずに通常通り表皮のみでメラニン色素が生成されて沈着します。

炎症性色素沈着

活性酸素という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

ヒトの身体には病原菌やその他の異物が入るとそれを退治するために活性酸素が働きます。しかし生活習慣や精神的なストレスがかかることで身体が活性酸素の生成を制御できなくなり余計に作ってしまいます。

余分にできた活性酸素は身体に良い働きをもたらすどころか炎症を促進させるよう働きます。

これを抑えるためにメラノサイトがメラニンを生成して活性酸素の動きを抑えます(細かく言いますとメラノサイトで出される酵素チロシナーゼが活性酸素を吸収分解して、これを原料にしてメラニン色素が作り出されます)。

結果的に活性酸素が抑えられて炎症の広がりは制御されますが一方でメラニン色素が表皮に残ってしまうためこの部分が色素沈着するのです。

しかし表皮は常に新しい細胞が作られてはそれがだんだんと外側へ押し出されて、時が経つと古い角質になり最終的には皮膚から離れていきます(ターンオーバー)。なので、本来はこの流れに乗ってメラニンも一緒に落とされていき、お肌は沈着がない綺麗な状態に戻ります。

予防方法

通常はターンオーバーにより改善します。ただ、年齢やストレス、不規則な生活習慣により新陳代謝が落ちるとターンオーバーの周期が乱れたり古い角質が落ちずに貯まる一方になることもあります。

角質を落とすことはピーリングによってすぐに改善することもありますが代謝の改善には時間がかかります。

したがって予防方法としては炎症性色素沈着が出来るできないにかかわらず普段から規則正しい生活習慣を身につけて、肌のターンオーバー機能を正常に保っておくことが一番です。

 

摩擦黒皮症、炎症性色素沈着の両方に期待できる成分

ハイドロキノン

色素沈着は基本的にターンオーバーによって改善します。しかし何らかの原因でそれが出来ずに沈着が取れないこともあります。

そこで改善のために外用薬として注目されているのが「ハイドロキノン」です。

ハイドロキノンは天然由来の成分ですが「お肌の漂白剤」と言われるほど強力な成分で、それゆえ日本では厚生省によりその使用が規制されていました。しかし2001年にその成分の使用が認められて現在では化粧品(濃度4%以下)に含まれているものもあります。

他方海外ではそれよりも前から美白の代表格として様々な化粧品に使われていました。

作用として表皮にある酵素チロシナーゼを抑制すると同時に指令を出すメラノサイトにも働きかけてメラニンの発生を阻害します。それだけでなくすでに出来てしまったメラニン色素にも徐々に浸透しそれを薄くします。

ただ、ハイドロキノンが作用するのはメラノサイトが存在する表皮までで、それより深部の真皮には届きません。つまり摩擦黒皮症で出来てしまった真皮のメラニン色素には効果がないと言うことです。

 

ハイドロキノンはメラニンによる色素沈着を改善するために効果が高い成分ですが使い方を間違えれば肌にとって害になります。メラニンは本来良い働きをするものです。そのため陽を浴びる前の使用は控えましょう。

使う際はパッチテストを行ったり、敏感肌の方や妊婦・授乳中の方は医師と相談するようにしてください。

 

これ以外の方法で安全に対処するならやはり皮膚科やクリニックで診てもらい治療してもらうのがいいです。

 

毛抜きや脱毛後のケアと対策方法まとめ

b03ほとんどの方は毛抜きをした経験を持っていますがその後トラブルになるかどうかは人により異なります。考えられるトラブルとして毛包炎、埋もれ毛、色素沈着があり、どれも毛抜きがその発症の原因になり得ます。

毛包炎は一見ニキビのように見えますが黄色ブドウ球菌という悪玉菌による炎症です。傷ついた毛包にこれが付着して炎症を起こすので毛の処理後はアルコール等でしっかりとケアする必要があります。

毛抜き後に毛穴が閉じてしまうことで起こる埋もれ毛は黒ずみのように見えます。基本はエステやサロンで脱毛してもらい、自分で処理するときはピーリングを行うのが良いでしょう。

色素沈着は普段は善玉として活躍しているメラニンによるもので、表皮のみにそれが存在している時は改善の余地がありますが真皮にまで達してしまっている時は完全に除去することは難しいです。対処方法はハイドロキノン配合の化粧品を使用するか、医師の診断を受けることです。

どの症状にも共通して言える一番の予防策は自分で毛の処理をしないことでしょう。