髭 ニベア

丸形の薄い青缶で中には真っ白なクリームと言えばニベアです。全身に深い青をまとったその姿と中心の堂々とした「NIVEA」の文字は清潔感と信頼感を漂わせています。

オロナインとニベアは家庭に1つはあるくらいにポピュラーなもので2014年にはその優れた成分がNHKのためしてガッテンでも紹介されていました。

世界のセレブも愛用する某高級保湿クリーム(30mlで17850円)とほぼ成分が同じなのにニベアは169gで525円というものすごいコスパを誇っています。世界では100年以上の歴史を背負い、日本でも1968年に製造されて以来ずっと美容クリームとしての確固たる地位を確立してきたのも頷けます。

 

そんな美容クリーム代表のニベアは日本では女性や子供が主に使うイメージですが男性にも十分利用価値があります。最近はメンズコスメという言葉が一般的になり男でも綺麗清潔に身だしなみを整え、周囲へアピールすることに違和感がなくなってきました。

美容のためだけではなく、たとえば髭剃り後の肌トラブルを改善する効果もあるのでこれを利用できる層はかなり広いのです。

 

このようにどこへ行っても褒められっぱなしのニベアクリーム青缶ですが、具体的にどのような成分がありどのように肌に良いのか気になります。そこで今回はニベアの成分を分析した上でいかにしてこれを髭剃りに活用するかを見ていきましょう。

 

ニベア青缶の成分一覧

ニベア

  1. ミネラルオイル
  2. ワセリン
  3. グリセリン
  4. 水添ポリイソブテン
  5. シクロメチコン
  6. マイクロクリスタリンワックス
  7. ラノリンアルコール
  8. パラフィン
  9. スクワラン
  10. ホホバ油
  11. オレイン酸デシル
  12. オクチルドデカノール
  13. ジステアリン酸Al
  14. ステアリン酸Mg
  15. 硫酸Mg
  16. クエン酸
  17. 安息香酸Na
  18. 香料

ご覧のように全19種類の成分が配合されています。基本的には「1.水」の含有量が一番多く、数字を追うごとにそれが少なくなっていきます。

 

1.水

水美容化粧水、美容クリーム、乳液などには全て水が入っています。

化粧品で使用される水はマグネシウムやカルシウムの割合が低い軟水がいいとされています。ここではそれが使用されているのかどうかまではわかりません。

 

2.ミネラルオイル

ミネラルオイルミネラルオイルは鉱物油(製品を作った際の残り油のようなもの)が原料となっており、高い精製技術によって不純物を取り除き高級炭化水素にして肌に浸透することなく※1皮脂膜の代わりをして皮膚を保護してくれます。

鉱物油と聞くとものすごく肌に悪いイメージを持ちますが今日の優れた精製方法で肌へのマイナスの影響は皆無と言っていいでしょう。

医療現場でアトピーを抑えるための成分として使われていたり赤ちゃんの繊細な肌にも使用可能なほどの優れたオイルです。このあと紹介するワセリンやパラフィンもミネラルオイルの類です(どちらも医薬品で使用されています)。

成分の効果は先ほど書いたように皮脂膜の代わりをして外敵から肌を守り、保湿します。

 

3.ワセリン

ワセリンワセリンは石油から精製されてできた成分です。以前の精製技術ではワセリンのほかに不純物も一緒に残ってしまい黄色ワセリンと呼ばれるものがありましたが、今日では技術が向上したおかげで極めて高い純度の白色ワセリンが一般的になりました。

これだけの成分にこだわった「白色ワセリン」という商品が発売されているくらいに優秀で、万能薬であるオロナイン軟膏にも含まれています。

効果としてはこちらも角質層へ浸透せずに皮膚表面でバリアを作って空気中の埃、化学物質から守ってくれます。

ワセリン自体は食品添加物としても使用されているので口に入ってしまっても大丈夫なくらい安全なものです。

 

4.グリセリン

グリセリンこちらもよく耳にする成分で、普段は善玉菌ですがニキビの原因となるアクネ菌が作り出すアルコールの一種です。

化粧品で使われるグリセリンは合成のもと天然のものがあり合成のものはどうして悪いイメージを持ってしまいますが、実は合成のものの方がその純度が高いのです。それゆえ医療現場で使用されるのはほとんどが合成グリセリンです。

ただし「合成」の名前からどうしてもイメージが良くないため化粧品ではあえて天然植物性グリセリンと表記するものもあるようです。ニベアにはどちらが使われているかわかりませんが正直なところどちらでも変わりありません。

グリセリンは水を吸収して手放さないため普通なら水分が蒸発する状況でもそうさせません。つまり肌で蒸発してしまいそうな水分をしっかりと捕まえてこれを肌表面に還元し保湿と潤いを与える効果があるのです。

ちなみにこちらもオロナイン軟膏に含まれている成分です。

 

5.水添ポリイソブテン

ツヤヒトの皮膚から分泌される皮脂にはスクワレンという成分があり、これがグリセリンや脂肪酸と一緒に天然の皮脂膜になります。スクワレンは非常に酸化しやすく肌にダメージを与えてしまうことがあります。これを防ぐために水素を装備させて酸化しにくくしたものをスクワランと言います。

水添ポリイソブテンはそのスクワランと非常に似た成分で密接度やツヤ感、粘度を高めます。そのため口紅やリップクリームによく使用されておりツヤを出す意味ではグロスのような感じです。

 

6.シクロメチコン

粘度のあるシクロメチコンは医薬品、化粧品のジェルやクリームに配合することで伸びをよくしますがベタつく感じはありません。

シリコンの部類なので不必要にコーティングされてしまうのではと心配になる方もおられるかもしれませんが揮発性が高い(蒸発しやすい)ので問題ありません。

エタノールなどの揮発性が高い物質はひんやり感がありこれが苦手な人も多いと思います。しかしシクロメチコンはその感じも抑えられている添加剤です。

かなり敏感肌の方は少し刺激を感じることがあるようです(ニベアで感じるかは不明です)。

 

7.マイクロクリスタリンワックス

こちらも石油から生成された物質でミネラルオイル、ワセリンの仲間です。高分子で肌に浸透しないため炎症やアレルギーの心配がなく安全性が高いです。

ワセリンと比べて固めなので伸びを良くするものではありませんが、粘度調節のために配合されていると思われます。

 

8.ラノリンアルコール

ウールアルコールラノリンアルコールは羊毛からウールを作る時に出るウールグリースを精製して作られるのでウールアルコールとも呼ばれます。

ラノリンアルコールはグリセリンのように吸湿性が非常に高く、また肌への親和性も高いので馴染みやすいです。本来は混ざらない者同士を合わせる乳化性にも優れているので液状化粧品にはよく使われています。

しかし酸化しやすい物質で、これが肌のバリアが失われた状態で浸透すると稀にアレルギー反応を起こすことがあります。病院でラノリンアルコール(ウールアルコール)アレルギーと診断されている方はこれを避けた方がいいでしょう。

 

9.パラフィン

パラフィンはミネラルオイルやワセリンとほぼ同じ効果です。不活性なので酸化変敗することがありませんし、高分子で肌へ浸透することもないのでアレルギー等の心配もなく安全性が高いです。

ニベアを含むクリーム系化粧品や口紅で油性成分として活躍しています。

 

10.スクワラン

スクワランについては「5.水添ポリイソブテン」で少しお話した通りです。

もう少し詳しくその効果を言うと、ヒトがもともと持っている成分なので皮膚に浸透しても刺激やアレルギーの心配がありません。

したがって肌のトラブルが多い方、敏感肌の方でも使用して問題ない成分で新陳代謝高めたりなめら滑らかさや保湿性を維持してくれます。

 

11.ホホバ油

ホホバオイルホホバ油にはここでは挙げきれないほどの素晴らしい効果が多数あります。中でも一番注目されている「保湿」の効果に焦点を当ててみると、ヒトが作り出す皮脂膜の脂肪酸成分とホホバ油の脂肪酸成分は非常によく構造で、皮脂の分泌が足りていない乾燥肌の方はホホバ油によりこれを補うことができます。

  • 皮脂膜の脂肪酸成分:パルミトレイン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸
  • ホホバ油の脂肪酸成分:パルミトレイン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコセン酸、エルカ酸、リノール酸、リグノセリン酸、リノレン酸

(含有量順ではありません。)

 乾燥肌にこれらの成分を与えて潤いある状態にします。

エステ、化粧品での活躍はもちろん健康促進や医薬品としても活用されており、それ自体に抗酸化成分であるビタミンEが含まれているため品質を保ち、また身体の酸化を抑えるアンチエイジング効果も期待できます。

ただし稀にアレルギー反応を起こす方もおられるようです。過去にホホバ油配合のものでアレルギーになったことがある方は医師に相談するかパッチテストを行いましょう。

 

12.オレイン酸デシル

皮脂膜とホホバ油の脂肪酸の構成員であるオレイン酸はオリーブオイルやナッツ類に多く含まれており酸化しにくい成分で動脈硬化、高血圧などを予防・改善します。

このオレイン酸とデジルアルコールを縮合反応させてオレイン酸デシルができます。

脱水縮合するため粘性があり親和性と浸透性に富み肌の水分を保ってくれます。

 

 13.オクチルドデカノール

透明天然油脂からつくられるオクチルドデカノールはパラフィンと同じように高分子ですが油性がそれほど強くないので伸びがあり刺激も非常に少ないアルコールです。保湿効果も同じです。

オクチルドデカノールには若干の紫外線吸収作用もありますがニベアのオイル成分自体が肌の透明性を高めるので日焼け止めとして使うのはあまりおすすめできません。

 

14.ジステアリン酸Al

ジステアリン酸アルミニウムはファンデーションやベビーパウダーのような粉体製品にはその付着性を高めるために使用されます。一方クリームやジェルでは液体を乳化するために使用します。

化粧品だけではなくシャンプーにも使用される成分で粘度を調節するために非常に重要なものです。

 

 15. ステアリン酸Mg

ステアリン酸マグネシウムに作用はジステアリン酸Alとほぼ同じです。大豆油、ヤシ油などの天然植物を加水分解して得られるものでクリーム、ジェルの伸び、粘度調整のために配合されます。

また、ある程度条件を満たした薬効を期待できる保健機能食品のカプセルにもステアリン酸Mgが使用されています。

 

16.硫酸Mg

海水からとれるに苦汁(にがり)に含まれるミネラル成分で温泉にも使用され保湿力を高める効果があるとされています。化粧品では乳化した物質の安定性を保つために使用されます。

硫酸と言うと聞こえが悪いですが日焼け止めでもよく使用されているものでよほど刺激に弱い肌でない限り問題ありません。

 

17.クエン酸

クエン酸こちらはよく耳にする成分で梅干しや果物の酸味(酸っぱさ)の正体です。経口摂取すれば疲労回復、食欲増進といった効果がありトクホやサプリメントでよく配合されています。

健康だけでなく美容効果も高く、理想である弱酸性のお肌がアルカリ性になり乾燥してしまうのを防ぎます。その他ピーリング効果や毛穴引締め効果など幅広く活躍する成分です。

天然由来なので非常に安全性が高く無添加化粧品にもよく登場します。

 

18.安息香酸Na

化粧品成分は長い間空気に触れると酸化して品質が落ちたり菌が繁殖することがります。これを防ぐために安息香酸ナトリウムを使用して品質を保てる化粧品にします。

安息香酸ナトリウムはかなりの量を経口摂取すれば毒になります。硫酸Mgと同じように稀に肌で刺激を感じる方もいます。

ただしシャンプー・化粧品でよく使用されている防腐剤なので敏感になる必要はありません。

 

19.香料

香り香料の詳細は不明です。

 

 

ニベアの成分からわかること

保湿

長々とニベアの成分を分析してミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノールと全19の成分中半分以上が「保湿」の効果を高めるものであることがわかりました。

そもそも美しい肌になるための一つとしてターンオーバーを繰り返す表皮の水分、そして表皮を支えている真皮でコラーゲン、ヒアルロン酸を含む健康的な水のクッションを作ることが重要です。

多くの保湿化粧品で対応できるのは基本的に表皮まででニベアもそうです。

  • 保水成分を与える
  • 膜を張りそれを閉じ込める

この2つ働きで肌を保湿して美肌を作りトラブルを防いでくれるのです。なので乾燥肌、乾燥肌による他のトラブルを抱えている、冬になると肌荒れする方はニベアを使用し改善するでしょう。もちろんその予防で使っても構いません。

逆に言えば肌本来の水分や皮脂膜が足りている、適切に機能している状態でいくらニベアを使用してもそれ以上の水分は受け付けなくなります。健康な肌に無駄にクリームを塗っても保湿効果はなく、反対に長時間空気に触れることで酸化してしまってダメージになることもあります。

とても品質の高いクリームですが使い方を誤ると毒になってしまいます。上手な付き合い方をして理想のお肌を手に入れましょう。

 

髭剃り後にニベア

髭剃り

髭剃りをした後のお肌は荒れた状態です。特にカミソリを使用すると表皮を傷つけてしまいます。

さらにはシェービング剤、洗顔で皮脂膜が一時的にゴッソリと取れてしまった状態なので荒れた肌を守るものがなく菌が侵入して繁殖しやすいです。荒れて乾燥した状態ではニキビや毛包炎になってしまいます。

殺菌するためにエタノール配合の化粧水を使用し、同時に他の成分で潤いを与えますが皮膚の温度、エタノールの影響ですぐに美容成分が揮発してしまいます。

これを防ぐ手段としてニベアクリームが有効です。

先ほど成分を見たように保湿、そのカバーの機能はとても優れているので化粧水の美容成分を得た肌にしっかりとフタができます。あるいは剃った後に化粧水は付けずそのままニベアを塗っても問題ありません。

口周りのつけることになるのでニベアの香料が合わない方は使用を控えるしかありません。

シェービング剤として使用できるか

電動シェーバー、カミソリによる髭剃りでシェービング剤として使うことは問題ありません。

しかし成分を見たいように油分が非常に多いクリームなので電動シェーバの網の部分、カミソリの刃の部分につくとなかなか取れないです。水洗いだけでは必ずといっていいほど残ります。

綺麗にふき取ったつもりでもクリームが残っていれば酸化し、菌が付着してさらには繁殖します。これをまた肌に当てれば肌トラブルの原因になります。

ニベアをシェービング剤に代用するのは成分上まったく問題ありませんが機能的にはおすすめできません。

普段使っているシェービング剤に混ぜてもOK?

やめた方がいいです。

シェービング剤は熱を持たせる、髭を柔らかくする、滑りをよくするなど美容とはかけ離れた成分が配合されています。それとニベアの成分が反応して害になるかもしれません。

害にならなかったとしてもシェービング剤、ニベアの効果が落ちてしまうことも考えられます。

混ぜることが全く問題ないとわかる場合を除いて合わせて使うのはやめましょう。

 

ニベアが合わない肌もある

オイリー肌

何度も繰り返しますがニベアは油分が多くて保湿に優れたクリームです。

乾燥肌には高い効果を示してくれますが皮脂の分泌が盛んなオイリー肌には不向きです。皮脂と成分が混ざりあってしまいかなりベトベトになり、場合によってはアクネ菌がお肌に余った油分をエサにして白ニキビの原因にもなります。

 

だからと言って絶対に使うなというわけではなく、オイリー肌の方でも洗顔後は皮脂がなくなり乾燥状態になります。オイリー肌なのでまたすぐに皮脂膜が作られるのですが瞬時にそれが出来るわけではありません。

せっかく塗った化粧水が皮脂膜でカバーされるまえに蒸発してしまえばその効果が発揮されなくなります。そのような時にはやはりニベアを使用すべきでしょう。

 

オイリー肌でニベアを使用する際は少量を手に取り、目に見えないくらいに薄く伸ばして肌につけます。付ける際は叩いたりこすったりせずに、手のひらを肌に付けて軽く横に引っ張るような形で塗ると良いです。

それでもニベアが原因でニキビが出来てしまう、余計にギトギトになる場合は白い入れ物の「ニベアソフト」の使用をおすすめします。

 

関連記事 → ニベアクリームの保湿効果について花王さんに聞いてみた

 

髭剃り後のニベアとニキビ・肌荒れ予防まとめ

b03家庭に1つは置いてあるニベア青缶は某高級保湿クリームとほとんど同じ成分ながら大容量・低価格で非常にコスパが高いクリームです。

ニベアの成分はミネラルオイル、ワセリン、ホホバ油などの油性成分が中心で保湿効果に優れています。もともと乾燥肌の方や、髭剃りで肌が荒れて乾燥してしまう方にはニベアは強い味方になりますが皮脂の分泌が盛んなオイリー肌では余計にそれがひどくなってしまいます。

もしもニベア青缶が油分が多すぎて合わないならば一度「ニベアソフト」を試してみるといいかもしれません。

 

※1:皮脂膜は油分(脂肪酸、スクワレン、コレステロール、グリセリン)と無機塩類(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)と水溶性有機物(アミノ酸類、乳酸、尿素糖など)でできています。