鼻

異性を無意識に惹き付けるフェロモン香水があれば…なんて思ったことはないでしょうか。確かに虫や動物がそれによってメス、オスに惹きつけられるようにヒトもにもその効果があれば香水として利用することで惹きつけることが出来そうです。

ただ、フェロモン自体本当にあるものなのでしょうか。

フェロモンの効果:月経周期の同調

フェロモンに関して1971年に大変面白い論文が掲載されました。

5人の女性被験者と、それとは別に彼女たちとは面識も共通点も何もない女性Aさんに協力してもらいます。Aさんの月経周期は正常で、彼女の脇の下から出る汗をエタノールで抽出して、これを含んだガーゼを被験者5人の鼻の下に当てます。

被験者たちは顔を洗ったりガーゼを外したりすることなく一定時間をの状態のままで居ました。

この検証を週に3回行い、4か月後にAさんと被験者5人の月経周期を調べてみるとそれが同調していることがわかりました。さらに今度は男性の下の汗を同じく方法を抽出して女性の鼻の下に当てた検証を行い、その結果月経周期が不規則だった女性のそれが正常になったという結果が得られました。

→ McClintock effect – Periods Synchronized(海外サイト)

 

よく女性の間では「生理がうつる」というような話をすることがありますが、この現象は生理の時に身体から放出されるフェロモンが関係し周りがそれに同調するマクリントック効果なのです。

コミュニケーションの中心が言葉であるヒトにはフェロモン、またその効果はないと言われてきましたが、フェロモン自体は存在することがわかる実験なのでした。ちなみにマクリントック効果はアンドロステノールというヒトフェロモンによるものです。

 

フェロモンにも種類がある

ひとことにフェロモンと言ってもいろいろな種類があり、大きくリリーサーフェロモンとプライマリーフェロモンの2つに分けられます。

  • リリーサーフェロモン
  • プライマリーフェロモン

簡単に説明しますとリリーサーフェロモンは相手に行動を促す作用のあるフェロモンでプライマリーフェロモンは相手の機能に影響を与えるものです。

先ほどのご紹介したマクリントック効果の実験で作用したフェロモンは被験者の月経周期に影響を与えているので後者のプライマリーフェロモンです。

そして、私たちが恋愛で効果を発揮させたい!と思っているフェロモンが前者のリリーサーフェロモンです。

 

つまり男性を惹き付けるためにリリーサーフェロモンに頑張ってもらえばいいわけですね。

 

リリーサーフェロモンで男性に働きかけるもの

リリーサーフェロモンの中でも性フェロモン、集合フェロモン、警戒フェロモンなどがありますが私たちが興味を持っているのは性フェロモンですね。性フェロモンは文字通り男女間で交わされる匂いにおけるコミュニケーションのことを言います。

では性フェロモンはどのような匂いがするかご存知でしょうか。

実はフェロモン自体に「いい香り、臭い」というようなヒトが感じられる匂いは存在せず無臭なのです。しかし無臭だからと言ってそこに何もないわけでなく、自分、または異性に対して効果を発揮するものが含まれています。

 

男性を惹き付けると言う意味でよく知られているものとしては以下の2つがあります。

  1. エストロゲン※1(女性ホルモン)
  2. オスモフェリン(コピュリン・フェロモン)

注意しておきたいのはエストロゲンはフェロモンではなく、女性を魅力的に育てる・魅せるためのホルモンだということです。(フェロモンとホルモンの違いはページ最下部に掲載)

この他にもテストステロンやリナノールなども詳しい方は見たことがあると思います。今回はエストロゲン(ホルモン)とオスモフェリン(フェロモン)について見ていきます。

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1.魔法のホルモン:エストロゲン

エストロゲンは色々な呼ばれ方をしています。機能的には発情ホルモンと呼ばれ子宮などの発育促進や排卵を促したりして女性の身体を作っていく役目を持っています。

また美容面では内臓脂肪を減らしたり肌の状態を整えたり、髪を潤したりバストアップを促進させたりするため美容ホルモン、美人ホルモンとも言われています。

そんな魔法のようなエストロゲンは分泌量※1が多い方が女性らしさを保て、また穏やかな状態でいられます。

ではどのようにすればエストロゲンを分泌させる事が出来るのでしょうか。

正しい生活習慣が一番

「どのような食べ物を食べたら」や「寝る前の○○時間前に□□をすれば」というようなものではなく、エストロゲンを適度に分泌させるにはやはり食事、運動、睡眠などの正しい生活習慣を送るのが一番のようです。

逆にエストロゲンのために控えたいこととしては

  • タバコ
  • 無理なダイエット
  • 夜更かし
  • ストレスを貯める

などが挙げられ、どれも美容を求めるならばNGものもばかりです。

 

エストロゲンが最も分泌される時期

女性の身体の機能とエストロゲンが大きく関わっている以上、これが分泌されやすい時期とそうでない時期があります。


引用元:女性のからだと女性ホルモン|ベルメゾン ほけんはっけん! http://www.hoken8dogs.jp/column/vol01.html

緑色のラインがエストロゲン分泌量を示したものです。排卵前にエストロゲンの分泌量がピークになり、この時美人ホルモンとして肌や髪にいい影響を与え気持ち的にも晴れた感じがします。

お化粧のノリが良かったり内面的にも調子が良いなと思うのはこれが大いに関係しています。

したがって軽いデートやお食事の時はこの排卵日前を狙って予定を組むと、男性は魅力的なあなたに惹かれる可能性が高いと言うことです。

 

このように美人ホルモンのエストロゲンが体内で分泌されることにより女性自身の調子が良くなるためその状態や仕草、穏やかさに男性が惹かれると考えると納得がいきます。

エストロゲン≠フェロモンですが、フェロモンとしてよく話題になるのはそのよな効果があるからと言えますね。

 

2.男性を誘うフェロモン:オスモフェリン(コピュリン)

オスモフェリンはイタリアにある化学・情報技術研究会社Vevy Europeの商標名で、正しい物質名はコピュリンです。エストロゲンは女性ホルモンの一種ですが、コピュリンはフェロモンです。

コピュリンが男性に及ぼす効果はフェロモン研究を行っているウィーン大学の生物学者:カール・グラマーによる実験で証明されています。

 

男性は女性が発する化学物質(フェロモンなど)によって女性の魅力の受け取り方が変わるかという実験です。(実験内容はおそらくコピュリンにさらされている時とさらされていない時それぞれ同じ女性の写真・声を示し、どちらの時の方がそれに魅力を感じたかというものです。)

66人の男性を対象にして1人の女性の写真とその声を示し、フェロモンも何も浴びてない時と、水に混じった無臭のフェロモン(コピュリン)を浴びたときの女性の魅力の受け取りについて調べました。もちろん被験者はフェロモンに関する知識はありません。

そして男性は示された女性を魅力的かどうかランク分けし、多くの男性が同じ女性でもフェロモンにさらされながら見た時の方が「魅力的だった」と回答しました。またフェロモンを浴びている最中、男性の唾液の中にあるテストステロンが150%以上も増加していることがわかりました。    → The magic of sexual attraction

 

一般的にみると魅力的に見える女性でも、コピュリンにさらされている際はその判断が正常にできなくなり、コピュリンを浴びている時に見た女性を魅力的だと思ってしまうことがわかりました。    → Pheromones for Women to Attract Men

 

実験の詳細は少し異なるかもしれませんが、女性から発せられるコピュリンは男性が魅力について判断する機能を惑わせる効果があるとわかりますね。

ちなみにテストステロンは性的興奮時に上昇する男性ホルモンで、その検証と結果は国内製薬会社の大東製薬工業により証明されています。

大東製薬工業 公式BLOG  –  男性は性的活動中にテストステロンが大きく上昇する  2011年1月17日

 

コピュリンを発するには

コピュリンフェロモンは先ほど紹介したエストロゲンが発端となり体外に放出されます。なのでエストロゲンの分泌を多くすることでコピュリンも比例して発すると言うことになります。

したがってコピュリンをなるべく多く発したいならすでに紹介している通り

  • 偏食ない食事
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠

などの正しい生活習慣を送ることを大切にしてください。

 

コピュリンの効果と男性ホルモンのテストステロンの関係についてはこちらの動画で紹介されています(2分30秒頃まで)。

 

フェロモンのもっと重要な役割

DNA

ここまでフェロモンの話題の中でも有名なエストロゲンやオスモフェリン(コピュリン)の効果、機能について話しました。ただ、フェロモンを発することにはこれら以上に重要な役割があります。

遺伝子情報の発信

フェロモンの大きな役割として自身の遺伝子情報、免疫抗体を発することがあります。この遺伝子情報を相手が察知して、自分の遺伝子と適合性が良ければこの情報の持ち主、つまりフェロモンを出している相手に対して欲情する形になります。

基本的に自分の遺伝子情報と大きく違うものには適合性が高まあり、近いものに対しては低くなると言われています。ただしあくまでも遺伝子レベルの適合性の良さなので、相性がいいとかお互いによくわかり合えることとイコールではありません。性格が合う合わないはまた別です。

憶測ですが思春期の女の子が父親の匂いを嫌うようになるというのはこの遺伝子情報の形が近いことに起因しているのかもしれませんね。

 

少し話がそれましたが、フェロモンの受け渡しが熱い恋の始まりを助長するにも関わらず消臭スプレーや香水などでその発信を打ち消してしまえば、当然そのチャンスを逃してしまうことになります。

また良くない生活習慣を送っている場合や、生理不順の時も同様のことが言えます。

 

フェロモン香水の効果と効き目

さて、ここまで長々とフェロモンのお話をしてきたところでフェロモン香水の効果はあるのかどうかを考えたいと思います。

考えたいのは以下の3点です。

  1. エストロゲンはフェロモンではないが女性を魅力的に見せる
  2. オスモフェリン(コピュリン)は男性の女性に対する判断を鈍らせ魅力を感じさせる
  3. 消臭スプレーや香水、生理不順はフェロモン(遺伝子)情報の伝達を妨げる

 

エストロゲンについてはこれ自体が相手を惹き付けるものではなく、健康的な生活によって体内で分泌されるものなので香水とは直接関係なさそうです。

中には自分のエストロゲンをより多く分泌させるための香水やアロマがあるようですが、これに頼るよりも規則正しい生活による自然な分泌を目指す方が良いでしょう。正しい生活習慣が出来ているなら、そのようなグッズに頼るのもいいのではないかと思います。

 

コピュリンは実験のように効果があることから男性を惹き付けるためにこれを身に付けるのは合理的と言えます。ただし3.にあるようにいくらコピュリンをまとっていてもその他(化粧のドーランや服の柔軟剤)の香りに負けてしまっては効果薄になってしまうでしょう。

 

3から言えることはいくら相手をエストロゲンやコピュリンで惹きつけることが出来ても根本的なレベルで相性が悪ければその効き目は長続きはしないと言うことです。

 

既に相性が良い相手に使うのが効果的

フェロモン香水 効き目

これらのことからフェロモン香水の効果や効き目は本物かどうかについて問われれば、答えは「ありえる」です。

そもそもヒトの感情はフェロモンだけでどうにかなるほど単純なものではありません。ましてやそれだけで相手に恋愛感情を植え付けるのは無理があると思います。しかし相手がすでにあなたに対して魅力を感じているならばエストロゲンやコピュリンの力を借りてさらに燃え上がらせることは可能でしょう。

もしも最近パートナーが自分に対して寄ってこない、なかなかナイトライフを楽しんでくれない、イマイチ盛り上がりが足りないと思うならフェロモン香水の効果に頼ってみてはどうでしょうか。

 

フェロモン香水の真実まとめ

フェロモンはマクリントック効果が証明されたように存在していると言えます。私たちが最も興味があるフェロモン物質にはエストロゲンとオスモフェリン(コピュリン)があり、前者は女性の体内で分泌され育成機能、肌のツヤ、健康を促進します。後者のコピュリンフェロモンはウィーン大学カール・グラマーの実験により男性の女性に対する判断を鈍らせる効果があるとわかりました。

またフェロモンは機能を促進したり相手に刺激を与えるだけでなく自らの遺伝子情報を伝えて相性の良し悪しを判断させる役目もあります。しかし消臭スプレーやきつい香水、生理不順などによってその役目が妨害されてしまうので、それを使用することでフェロモンによる恋のチャンスを逃してしまうかもしれません。

コピュリンフェロモンが相手に刺激を与える以上、フェロモン香水は一定の効果があり、特にすでに魅力を感じている相手に使用すると盛り上がりを手助けしてくれそうです。

 

補足: フェロモンとホルモンの違い

フェロモンとホルモンは似て非なるものです。

  • フェロモン:体内のから物質を放出し、それにより周囲の生き物の行動に刺激を与えるもの(例→コピュリン、アンドロステノール、エストラテトラエノール等)
  • ホルモン:体内の機能を促進させるための物質(例→成長ホルモン、女性ホルモン、男性ホルモン等)

 

※1:エストロゲンは体内で過剰に分泌されると乳がん、子宮がんの恐れがあるとされています。何事も過剰は身体に良くありませんのでご注意を。